柳蓮二

ひさかたぶりだな、貞治
昔のなじみだが容赦はせんぞ。


「いくぞ、れんじ！」
こい！

「腕を上げたな、れんじ。これなら今度の大会も、優勝だ。」
あぁ。

そういえば、俺達、今まで本気で対戦したこと、ないな。
「どうしたんだ？急に。」
貞治、どっちの方が強いんだろうな。
どうだい？今からここで、勝負してみないか？


このゲームを取れば、俺の勝ちだ！
「俺は絶対に負けない…！」


「さっきのボレーは見事だったよ。でも次は必ず返してみせる。」
俺だって、次は貞治のドロップを返してやるさ。
「この決着はこんどの大会が終わったら付けよう。」
あぁ。必ず。
「どうした、れんじ。」
…ごめん。


そんなに低い低バックの姿勢でスライスボールが打てるはずはない。
と、思ったか？
どうやら当たりのようだな。


ふっ。どうした、貞治。
柳れんじは、前後の動きには俊敏でも、ネット前での左右の動きでは、若干フォローが遅れるはず。
とでも言いたいのか？


お前のテニスは見切った…！もう俺には通用せん！

確かにお前は、俺に関する完璧なデータを取ってきたようだ。
しかし、そのデータが逆にお前を束縛している。

テニスとはもっと単純なスポーツだ。
相手が取れない処へボールを落とす、それだけのこと。


名残惜しいが、そろそろ宴はおしまいだ。

貞治…！
俺に勝てる為にデータを捨てたか、貞治。
しかし、いくらがむしゃらに技を繰り出しても無駄だ。
この俺には勝てん。

だからといって、手を抜く気はさらさらない。

来い…！貞治…！


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なんて打ちながら必死に写メ撮ってた←ばか

あ。セリフは夢のためやから。
コレクションじゃないから。